2020年05月09日
ブロンズィーXR(CBZS-69MLXR)のインプレ
2年前に入手した稀少なメバルロッドの実釣を重ねて、似たレングスのロッドとの比較を交えて執筆したインプレ記事を下書き状態で放置していたので、コロナ禍で釣行記が残せないため加筆修正し、この時期に公開したい。
取り上げるロッドは、ブロンズィーXR(Bronzee XR、CBZS-69MLXR)。
合わせたリールは、12ヴァンキッシュの1000SとC2000HGSを使用。
まずは基本スペックの紹介。
●Length:6.9ft.
●Lure:1/32-2/9oz.
●Line:2-4lb/PE #0.3-0.6
●Power:MLXR
●Rod Wt:95g
●2pc.
ロッド自重は95g。ストレートグリップでしっかりバランスが取れているので、ソリッドティップ特有の先重りはない。
まずロッドを手にして軽く振ってみたときのフィーリングは、同時代のメバルロッドであるVARIVAS ViOLENTE ライトゲームモデル VLL-711Tをさらにシャープにしたような印象。
2000年代後半のメバルロッドの主流だったと思われるが、強いバットとしなやかなティップで乗せ掛けの両立を目指したロッド。
レングス自体が6.9フィートと短いのと、ガイドセッティングがチタンのATガイドとKガイドにカスタムしてあるので、オリジナルのLDBガイド仕様よりもガイド重量が軽くなった分、全体の自重の軽量化だけでなく、非常にシャープなロッドという印象。
それでも現在のメバルロッドに比べると自重はあるけど、驚くほど高バランスに仕上がっていて重さを感じない。
そのバランスの良さの一因は、ストレートグリップにある。
上からルナキアソニック610、ヴィオレンテ68、そしてブロンズィー69。
ルナキアソニックも自重が78gありながら高バランスだったが、ブロンズィーもソリッドティップを搭載していながら、非常にバランスが取れていて持ち重りや先重りは一切ない。
バットガイドの大きさの比較。ロッドの並びは上と同じ。
いずれもATガイドを採用しているが、その口径は大きく異なる。
最も小口径なのはブロンズィーだけど、トルザイトリングガイドになっているので実質的な口径はヴィオレンテに近い大きさ。
ティップ側の比較。ロッドの並びは上と同じ。
ルナキアソニックはバットガイドを含めて全9個。
ヴィオレンテはバットガイドを含めて全8個。
ブロンズィーはバットガイドを含めて全9個のガイド数。
いずれのロッドも感度を重視してティップ部に多くガイドを配置している。
ロッドの特性として、撓みを活かしてキャスト時にしならせてからその反動で飛ばすタイプのロッドなのに、キャスト後のティップの収束が早く、ほとんどロッドがブレないのは優れた設計と素材による良質なロッドの証拠。
初代の宵姫やスローリトリーブの調子が似たような性格だったけど、それらと比較してもトルザイト仕様にガイドをカスタムした効果もあってか、明らかにシャープでティップの収束が早く、よく曲がるのにシャッキリしている不思議な感覚のロッド。
ティップ部の比較。上からルナキアソニック、ヴィオレンテ、ブロンズィー。
ルナキアソニックのティップ部はカスタムバージョン。
ヴィオレンテのティップ部はLDBガイド仕様。
ブロンズィーのティップ部はトルザイトリングのチタンKガイドにカスタム。
ヴィオレンテとブロンズィーのトップガイドはおそらく同一のもの。
ヴィオレンテとブロンズィーのティップはソリッドティップだけど、ブロンズィーのほうが太い。
ルナキアソニックはカスタムによって先径が1mmを超えて1.4mm以下のはずなので、ブロンズィーの先径もこの範囲だろう。
しかし元径のほうは、ブロンズィーが最も細く、ルナキアソニック、ヴィオレンテの順に太い。
ロッドの調子も、同じ順番で硬さが増して曲がりにくい性格になっている。
実釣を開始したのは2年前の4月。春が進んでプラッギングメバルが面白い季節になり、プラグを主体にジグヘッドを織り交ぜて使ってみた。
小型軽量プラグのキャストはロッドのしなりを活かして軽い力でキャスト可能。
飛距離もロッドの反発を上手く利用すれば、レングスのあるメバルロッドを凌駕する。
プラグが水を噛む感覚もしっかり伝わる高感度を有し、フッキングまでは問題ない。
唯一の難点は、掛けてからの問題。
ホームエリアのプラッギングシーズンでは藻場を狙うことが多いが、トラウトロッド並みに曲がるので、藻場に突っ込まれたときに強引に引っ張り出すのが難しかった
しかし、トラウトロッドに比べて曲がってからの反発力は強く、尺メバルも対応可能という製作者のインプレが当時残っていたが、ロッドワークを工夫することにより、グイグイ寄せてくるパワーがあるのも確か。
問題は、掛けた直後のファーストランを食い止められるかどうかという点。
尺メバルを釣り上げた経験はないが、シーバスロッド並みのパワーで狙うサーフメバルを除いて、自己記録魚を上げたロッドはよく曲がってパワーを吸収するロッドなので、魚の突進を受け止めるためにロッドが曲がること自体は有り難い。
しかし、このロッドのようにショートレングスの場合は、梃子の原理でファーストランを食い止めるのにより大きな力が必要で、反応が遅れれば先手を取られて藻場に突っ込まれてしまう。
漁港内でのメバルや小型根魚であれば掌サイズでも引き味を楽しめるし、20cm台半ばでも難なく突進を食い止められるライトゲームロッドとしては絶妙なバランス。
よって上記の問題はロッドにあるのではなく、ポイントに応じたロッド選択ができなかったユーザー側の問題だろう。
このロッドの曲がりとパワーを楽しむのなら、オープンウォーターで掛ける夏から秋の小型回遊魚を相手にするのが面白そう。
現在もグラスロッドに注力しているメーカーらしく、また島津氏のロッドの特徴とも言うべき曲がりが美しいテーパーデザインを重視しているので、プラッギングの釣りとの相性は抜群といえる。
今秋は新型コロナ禍により徳島や高知へ遠征が行える状況になるかはわからないが、アジングで使ってみたところ20cm程度のサイズのバイトも感知でき、アジの引きをいなすのに優れているので、メッキ釣りでも楽しめそうな印象ではある。
寒ボラの突進にはさすがに厳しかったが、晩秋にかけて成長する20cm台後半のメッキなら釣趣を存分に堪能できそう。
もともとのロッド自体がレアな製品だし、10年近く前に廃盤になったようなので新品の在庫がある店はほとんどないだろうけど、中古品で気になっている人のためにインプレを残しておく。
ただし自分が手に入れたのは、ガイドセッティングがカスタムされた唯一無二の製品なので、YSGガイド+LDBガイドのオリジナルバージョンとはフィーリングが異なるのでご注意ください。
<参考>
※2022年10月15日「アドバンスメント SBR-64」
取り上げるロッドは、ブロンズィーXR(Bronzee XR、CBZS-69MLXR)。
合わせたリールは、12ヴァンキッシュの1000SとC2000HGSを使用。
まずは基本スペックの紹介。
●Length:6.9ft.
●Lure:1/32-2/9oz.
●Line:2-4lb/PE #0.3-0.6
●Power:MLXR
●Rod Wt:95g
●2pc.
ロッド自重は95g。ストレートグリップでしっかりバランスが取れているので、ソリッドティップ特有の先重りはない。
まずロッドを手にして軽く振ってみたときのフィーリングは、同時代のメバルロッドであるVARIVAS ViOLENTE ライトゲームモデル VLL-711Tをさらにシャープにしたような印象。
2000年代後半のメバルロッドの主流だったと思われるが、強いバットとしなやかなティップで乗せ掛けの両立を目指したロッド。
レングス自体が6.9フィートと短いのと、ガイドセッティングがチタンのATガイドとKガイドにカスタムしてあるので、オリジナルのLDBガイド仕様よりもガイド重量が軽くなった分、全体の自重の軽量化だけでなく、非常にシャープなロッドという印象。
それでも現在のメバルロッドに比べると自重はあるけど、驚くほど高バランスに仕上がっていて重さを感じない。
そのバランスの良さの一因は、ストレートグリップにある。
上からルナキアソニック610、ヴィオレンテ68、そしてブロンズィー69。
ルナキアソニックも自重が78gありながら高バランスだったが、ブロンズィーもソリッドティップを搭載していながら、非常にバランスが取れていて持ち重りや先重りは一切ない。
バットガイドの大きさの比較。ロッドの並びは上と同じ。
いずれもATガイドを採用しているが、その口径は大きく異なる。
最も小口径なのはブロンズィーだけど、トルザイトリングガイドになっているので実質的な口径はヴィオレンテに近い大きさ。
ティップ側の比較。ロッドの並びは上と同じ。
ルナキアソニックはバットガイドを含めて全9個。
ヴィオレンテはバットガイドを含めて全8個。
ブロンズィーはバットガイドを含めて全9個のガイド数。
いずれのロッドも感度を重視してティップ部に多くガイドを配置している。
ロッドの特性として、撓みを活かしてキャスト時にしならせてからその反動で飛ばすタイプのロッドなのに、キャスト後のティップの収束が早く、ほとんどロッドがブレないのは優れた設計と素材による良質なロッドの証拠。
初代の宵姫やスローリトリーブの調子が似たような性格だったけど、それらと比較してもトルザイト仕様にガイドをカスタムした効果もあってか、明らかにシャープでティップの収束が早く、よく曲がるのにシャッキリしている不思議な感覚のロッド。
ティップ部の比較。上からルナキアソニック、ヴィオレンテ、ブロンズィー。
ルナキアソニックのティップ部はカスタムバージョン。
ヴィオレンテのティップ部はLDBガイド仕様。
ブロンズィーのティップ部はトルザイトリングのチタンKガイドにカスタム。
ヴィオレンテとブロンズィーのトップガイドはおそらく同一のもの。
ヴィオレンテとブロンズィーのティップはソリッドティップだけど、ブロンズィーのほうが太い。
ルナキアソニックはカスタムによって先径が1mmを超えて1.4mm以下のはずなので、ブロンズィーの先径もこの範囲だろう。
しかし元径のほうは、ブロンズィーが最も細く、ルナキアソニック、ヴィオレンテの順に太い。
ロッドの調子も、同じ順番で硬さが増して曲がりにくい性格になっている。
実釣を開始したのは2年前の4月。春が進んでプラッギングメバルが面白い季節になり、プラグを主体にジグヘッドを織り交ぜて使ってみた。
小型軽量プラグのキャストはロッドのしなりを活かして軽い力でキャスト可能。
飛距離もロッドの反発を上手く利用すれば、レングスのあるメバルロッドを凌駕する。
プラグが水を噛む感覚もしっかり伝わる高感度を有し、フッキングまでは問題ない。
唯一の難点は、掛けてからの問題。
ホームエリアのプラッギングシーズンでは藻場を狙うことが多いが、トラウトロッド並みに曲がるので、藻場に突っ込まれたときに強引に引っ張り出すのが難しかった
しかし、トラウトロッドに比べて曲がってからの反発力は強く、尺メバルも対応可能という製作者のインプレが当時残っていたが、ロッドワークを工夫することにより、グイグイ寄せてくるパワーがあるのも確か。
問題は、掛けた直後のファーストランを食い止められるかどうかという点。
尺メバルを釣り上げた経験はないが、シーバスロッド並みのパワーで狙うサーフメバルを除いて、自己記録魚を上げたロッドはよく曲がってパワーを吸収するロッドなので、魚の突進を受け止めるためにロッドが曲がること自体は有り難い。
しかし、このロッドのようにショートレングスの場合は、梃子の原理でファーストランを食い止めるのにより大きな力が必要で、反応が遅れれば先手を取られて藻場に突っ込まれてしまう。
漁港内でのメバルや小型根魚であれば掌サイズでも引き味を楽しめるし、20cm台半ばでも難なく突進を食い止められるライトゲームロッドとしては絶妙なバランス。
よって上記の問題はロッドにあるのではなく、ポイントに応じたロッド選択ができなかったユーザー側の問題だろう。
このロッドの曲がりとパワーを楽しむのなら、オープンウォーターで掛ける夏から秋の小型回遊魚を相手にするのが面白そう。
現在もグラスロッドに注力しているメーカーらしく、また島津氏のロッドの特徴とも言うべき曲がりが美しいテーパーデザインを重視しているので、プラッギングの釣りとの相性は抜群といえる。
今秋は新型コロナ禍により徳島や高知へ遠征が行える状況になるかはわからないが、アジングで使ってみたところ20cm程度のサイズのバイトも感知でき、アジの引きをいなすのに優れているので、メッキ釣りでも楽しめそうな印象ではある。
寒ボラの突進にはさすがに厳しかったが、晩秋にかけて成長する20cm台後半のメッキなら釣趣を存分に堪能できそう。
もともとのロッド自体がレアな製品だし、10年近く前に廃盤になったようなので新品の在庫がある店はほとんどないだろうけど、中古品で気になっている人のためにインプレを残しておく。
ただし自分が手に入れたのは、ガイドセッティングがカスタムされた唯一無二の製品なので、YSGガイド+LDBガイドのオリジナルバージョンとはフィーリングが異なるのでご注意ください。
<参考>
※2022年10月15日「アドバンスメント SBR-64」
Posted by shin1979 at 18:30│Comments(0)
│タックル