釣本の購入と書評みたいなもの・・・

shin1979

2011年07月15日 00:56

この春は付録に釣られて釣り雑誌(ルアーマガジン ソルト)を連続購入していたけれど、この夏も付録に釣られて買ってしまった
まあ貰い物の図書カードが余っていたから自費ではないんだけど






8月号の付録はタックルボックス。
3月号のものと比べると少しコンパクトだけど、深さがある分だけ厚みはある。
3月号のタックルボックスは、使用済みのシーバスルアーや餌木を入れるのに重宝している。

8月号のタックルボックスは、メッキ用のルアーや、使用済みジグヘッドやワームを入れるのにちょうど良い大きさ

4月号のネックウォーマーもなかなか良かったけど、三重にいた頃から使っているロッドベルトが結構痛んできたので、2009年12月号のようなロッドベルトをそろそろ付けて欲しいな

さらに、以前から欲しかった釣魚図鑑を購入

購入したのは、石川皓章(著)、瀬能宏(監修)、隔週刊つり情報編集部(編集)『海の魚大図鑑』(日東書院、2010年、5000円+税)

書店で見つけて少し立ち読みをして、これは良いと思っていつかは買うつもりだったけど、今回図書カードの臨時収入があったので思い切って購入




主な特長を挙げると、第1に、一般的な魚類図鑑とは異なり、釣りの対象魚を中心に掲載している点。しかも、著者自身が釣り上げたものが中心であるため、魚の写真だけでなく説明書きが釣り人目線で記述されている。著者は沖釣り経験が豊富なため、陸っぱりで、特にルアー釣りを中心とするアングラーにとっては馴染みが薄い魚も多く載っているが、エサ釣りをやる人はもちろん、魚が好きな人であれば十分楽しめる内容になっている。

第2に、魚の見分け方が非常に詳しく丁寧に記述してある点。一般的な魚類図鑑は、あまりに形式的あるいは学術的過ぎて面白味に欠ける内容になっているが、釣り人の目線に立つ本書は、文章表現や掲載している写真も魚を区別するうえで分かりやすいものになっている。

第3に、釣魚の代表的な郷土料理が写真付きで紹介されている点。調理方法などの記述はないが、料理の写真と解説が付いているのは一般的な魚類図鑑にはあまり見られず、斬新な印象を受ける。その解説も、もちろん釣り人の目線で書かれているので非常に参考になる。

第4に、2010年末刊行ということもあり、標準和名や学名が最新の情報に基づいている点。たとえば、ユーモラスな体型で有名なイザリウオは、日本魚類学会での検討を経て、2007年にカエルアンコウとして標準和名が変更されたが(変更の経緯や理由については、同学会へのリンクを参照)、本書はもちろんその内容を反映している。

最後に、名前が分からない魚の同定をしてくれる点。本書の395頁に、「名前の分からない魚を釣り上げたら、上記のメールアドレスへ写真を送ってください。同定結果を返信いたします。」との記載がある。こういうサービスも魚好きには嬉しいところ。

魚の同定については、昨年9月に三重でヒットした謎の魚があり、他の魚類図鑑を見ても分からなかったのでメールを送って調べてもらおうかと思ったが、その前にもう一度本書で大体の魚の種類の見当をつけて調べてみたところ、幸運にも種類が判明できた
魚の形状から、ギンポ系だと思って該当する辺りを調べていたら、「小型魚だが鋭い牙状の歯があり、噛まれると意外に痛い」という記述がニジギンポの項目にあった。確かに小さいながらも鋭い牙を持っていて、体色も「生時は暗色の縦帯が鮮明」という説明のとおりだった。念のためニジギンポの名前で画像検索をかけると、同じような魚が多数ヒットしたので、おそらくニジギンポで間違いないだろう。

本書のおかげで謎の魚が判明したから評価するわけではないが、海釣りをやる人はもちろん、魚そのものが好きな人にとっては、一般的な魚類図鑑よりも楽しめる内容であることは確かだろう。
5000円+税という価格は、フルカラーの写真と詳細な解説付きで600種が収録されていることを考えれば、十分良心的な価格といえる。
まずは店頭で手にとって、ぜひ内容を確認してもらいたいが、Amazonでも内容の一部が見られるので関心のある人はアクセスしてみて欲しい。

なお、同価格帯で同じような趣旨の釣魚図鑑もあり(2007年刊行である分、レビュー数は多い。淡水魚も扱っている。)、店頭で見比べたうえで自分は今回取り上げた本を購入したが、内容については好みが分かれるだろう。
写真と解説の大きさやレイアウトの差から判断して両者の違いを一言で表すと、2007年刊行本は「見せる図鑑」であるのに対し、2010年刊行本のほうは「読ませる図鑑」といえるかもしれない(あくまで個人的な評価なので、実際に店頭で見比べてみることをお勧めします・・・)。


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